分析診断票の見方


分析項目 説明
pH:(水素イオン指数) 作物が生育する上で最適なpHは作物ごとに多少異なるが、ほとんどの作物では6.0〜6.5の間に集中している。 また、土壌中の養分の有効性および有害物質の溶解度もpHによって支配されている。つまりpHは、養分の供給を左右する重要な指標である。
電気伝導度:(EC) 土壌中の水溶性塩類の総量を表す。硝酸態窒素含量との間に正の相関関係がみられ、土壌中の硝酸態窒素含量の推定に有効である。
有効態リン酸:(P2O5) リン酸は作物のエネルギー代謝に関与し、生長点などの分裂組織に多く存在する。作物の初期生育を旺盛にし、中期以降の生育を加速させるために必要である。本道の様な寒冷地では初期生育が停滞しがちであるため、特に重要な要素である。 またリン酸は、移動性が小さく施肥効率が低いため、施肥のほか、土壌改良(土づくり)としての施用が欠かせない。土壌中に含まれるリン酸のうち、作物が吸収利用可能なものを有効態リン酸という。
交換性石灰:(CaO) カルシウムは一般的には塩基の中で最も多いが、降雨や灌水などによって溶かされ流亡する。この作用を溶脱と呼び、その結果土壌が酸性化する。土壌の酸性化は石灰質資材の施用により矯正していく必要がある。
交換性苦土:(MgO) 葉緑素の構成要素で光合成やリン酸の吸収、体内移動に関与する。リン酸、石灰、加里の多施用でも欠乏症が発生しやすい。
交換性カリ:(K2O) カリウムは光合成、タンパク質の合成に関与する。堆肥や家畜ふん等の有機質に多く含まれ、有機質資材の多施肥によって過剰になることがある。苦土とカリのバランスが逆転している場合、苦土が十分あるにもかかわらず苦土欠乏が出ることがある。
熱水抽出性窒素:(熱N) 土壌の可給態窒素を迅速に評価する方法で、土壌の易分解性有機態窒素、無機態窒素と栽培期間に無機化してくる窒素の評価に使われる。
培養窒素:(培N) 地力窒素を把握する方法のひとつで、一定の温度条件で適当な水分の土壌を相当日数かけて培養し、生成される無機態窒素を測定して可給態窒素としている。
硝酸態窒素:(NN) 化学形態が硝酸の形になっている窒素。水によく溶けて、速効性である。反面、ハウス等で多量に施用すると濃度障害を起こしやすい。また、硝酸態窒素は土壌に吸着されにくく、水によって流れやすいため地下水中で濃度が高まる場合がある。
アンモニア態窒素:(AN) 土壌における主要な無機態窒素で、通常はアンモニウムイオンの形で土壌中に存在する。作物に吸収されたアンモニア態窒素は、根で同化されてアミノ酸となる。
リン酸吸収係数 土壌がリン酸を吸着、固定する力を表す指標。リン酸吸収係数が大きい土壌ほど、施肥リン酸が作物に効きにくくなる傾向がある。
腐植:(TC) 土壌有機物のうち、生物と新鮮な植物遺体などを除くすべての有機物を指す。腐植を多く含む土壌は、比重が軽く、膨軟である。また、土壌の色が黒いことから温度が上がりやすく、緩衝力や水分保持力が高まる等多面的な機能を持っている。
可給態ケイ酸:(SiO2) 作物が吸収可能なケイ酸。水田土壌のケイ酸供給力の指標として測定される。
遊離酸化鉄:(Fe2O3) 水田土壌が還元状態になったとき、還元されて2価鉄となって溶出する鉄をいう。老朽化水田の判定等に使用する。
易還元性マンガン:(易Mn)
交換性マンガン:(交Mn)
マンガンは光合成における酸素の発生に重要な役割を果たしており、葉緑素、葉緑素体の形成、構造維持にも関わる重要な元素である。アルカリ資材を過剰施用するとマンガンは不溶化するためマンガン欠乏症が発生しやすくなる。
熱水可溶性ホウ素:(B) ホウ素は細胞壁ペクチンの特定の部分に結合して細胞壁構造を安定化させる機能を持つ。土壌中の熱水可溶性ホウ素が0.3mg/kg程度以下になると欠乏症が発生しやすい。成長の盛んな部位の壊死が特徴で、アブラナ科作物を中心に発生しやすい。
可溶性亜鉛:(Zn) 体内で多くの酵素の活性化金属として働き、タンパク質の構造維持にも必要な元素。土壌pHの上昇、リン酸の過剰施用などで作物が亜鉛を吸収しずらくなる。また、土壌中にニッケル含量が多いと拮抗作用により亜鉛欠乏症が発生する場合もある。
可溶性銅:(Cu) 光合成反応の電子伝達で働くなど、作物体内での多くの代謝に関わっている。吸収された銅の大部分は根に存在し、体内での移動は小さい。そのため、欠乏症状は先端や若い組織に出る。
稲体ケイ酸:(SiO2) 一般作物ではケイ酸含有量は高くない。イネは飛び抜けて高く、ケイ素の吸収により生育が良好になる。イネの生育に対するケイ素の効果については、いもち病など病虫害や倒伏に対する抵抗性の付与とならんで受光体勢の改善による光合成の増進などもあげられる。

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