Q-13 pHを上げないで石灰を補給する方法は?一覧へ戻る
土壌分析の結果、石灰不足と言われました。ばれいしょのそうか病が心配なので土壌pHを上げたくありません。土壌pHを上げないで石灰を補給する何か良い方法はありませんか。

A.石膏類で、pHを上げないで石灰を補給できます。

1.肥料の反応性?
 肥料は、化学的反応と生理的反応の2種の反応で酸性、中性、塩基性に区分されます。一般に、酸性矯正や石灰補給に用いられる炭酸カルシウムなどは化学的塩基性肥料で、土壌pHを上昇させます。しかし、石膏類や過りン酸石灰は化学的には酸性で、生理的には中性肥料なので、土壌のpHを上昇させません。これが “石膏類でpHを上昇させずに石灰を補給することが可能”な理由です。

2.リン酸石膏に注目!
 近年、pHの上昇を伴わない石灰補給にリン酸石膏が注目されています。この資材は、リン鉱石からリン酸液を製造する過程で副産物として産出されます。その主成分は2水石膏(CaSO4・2H2O)で、全体の約80%を占めています(表)。
 今までの用途は建設用が主でしたが、農業的利用も期待されています。例えば、ながいものように塩基性は好まないが、多くの石灰を必要とする作物に対して有効と考えられます。
 一方、ばれいしょ栽培においては、そうか病抑制のため石灰の施用が控えられ、石灰不足による収量減の報告もあります。リン酸石膏の効果の一例を、図1、2に示しました。リン酸石膏を施用するとばれいしょの収量増、サイズ向上、亀の甲症の抑制が認められます。他に、リン酸石膏の施用として、イオウの供給、土壌固結抑制に伴う透水性や出芽率の向上などもあげられています。ただし、この資材は、名前と違い、リン酸含量が少ないことへの留意が必要です(表)。

3.たい肥の併用も有効

石灰補給で重要なことは、施用した石灰を効率良く吸収させることです。完熟たい肥はそれ自体から石灰を供給するとともに、土壌の保肥力を高め、石灰を吸収されやすい形で維持します。積極的にたい肥を利用したいものです。