Q-11 有機物分解に及ぼす石灰質資材施用の影響は?一覧へ戻る
有機物の分解を促進させるためには、石灰質資材をどのように活用したら良いのでしょうか。

1.微生物活性とpHとの関係
 有機物の分解は、主として糸状菌、細菌、放線菌など微生物の働きによるもので、分解促進のためにはこれら微生物の活性を高めることが不可欠となります。微生物数とpHとの関係をみると、糸状菌は酸性〜中性、細菌、放線菌は中性〜微アルカリ性で増加する傾向となっています(表1)。このことから、たい肥化過程や土壌中で有機物の分解を促進するためには、たい積物や土壌のpHを中性付近に維持することが必要です。

2.たい肥化促進のための石灰質資材添加の必要性
 稲わらなどは、たい積して腐熟が始まるとかなり強い酸性を示します。これは有機物の分解に伴って多量の有機酸が発生するためで、たい積時における石灰質資材の添加はこれを中和するのに有効です。石灰質資材は、強いアルカリ性を示す生石灰や消石灰よりも石灰岩を粉砕した炭カルのほうが効果的とされています。一方、C/N比の高い有機物の場合には窒素添加も必要となるので、石灰窒素が効果的です。麦稈に石灰窒素を添加した促成たい肥は、硫安・石灰を添加したものよりも腐熟が進み、窒素の損失も少ないことが認められています(表2)。
 バークたい肥の場合は、原料となる樹皮のpHが5.0前後と低いことから、石灰質資材の添加は不可欠と判断されます(表3)。ただし、C/N比調整等も必要なことから、添加資材としては窒素、リン酸および石灰含量の多い鶏糞が適しています。ちなみに、1年以上たい積した針葉樹パークたい肥のpHをみると、鶏糞添加物は7.4、pH調整をせず尿素だけを添加したものは5.1を示し、後者はほとんど腐熟が進んでいないことを確認しました。